研究課題
平成27年度は、これまでの研究成果に基づいて、学会発表と論文投稿に大きな力を注いだ。既に、論文として受理された研究内容は、HMGB1を末梢局所投与した場合の痛覚過敏効果の性質が、HMGB1のレドックス状態の違いによって異なるというものである。一方、パクリタキセル誘起神経障害性疼痛へのHMGB1の関与に関する論文も投稿済で、現在まだ審査段階にあるが、既に審査員の意見に基づく修正を完了している。これ以外に、セルレイン誘起急性膵炎に伴う膵臓痛およびサブスタンスP膀胱内注入による膀胱痛発現におけるマクロファージ由来HMGB1の役割に関する研究、さらに、抗がん剤がマクロファージに直接作用してHMGB1を遊離させるメカニズムに関する研究もかなり進んでおり、平成28年度中には論文投稿を行うことができる見込みである。
2: おおむね順調に進展している
当初計画した研究が順調に進んでおり、既に多くの結論が得られている。末梢局所投与によるHMGB1の痛覚過敏作用に関する一部の成果は既に論文と受理されており、それ以外の実験データについても平成28年度中には、論文として投稿できる段階にあるから。
実験は、当初の計画通りに順調に進んでおり、平成28年度は、得られた成果を論文としてまとめて投稿していく予定である。論文審査の過程で、必要に応じて追加実験を行わなければならないが、これまで検討してきたパクリタキセル、ビンクリスチン以外の抗がん剤による神経障害性疼痛へのHMGB1の役割についても検討を進め、新たな研究展開を模索する。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
J. Pharmacol. Sci.
巻: 130 ページ: 139-142
10.1016/j.jphs.2016.01.005.
http://www.phar.kindai.ac.jp/byoutai/index.files/byoutai.htm