動体追跡放射線治療では、腫瘍近傍に留置されたマーカの3次元位置に基づき、呼吸同期照射を実現している。体内マーカの3 次元位置に加えて、呼吸位相(呼気や吸気)を同時に評価することで、再現性の高い患者位置決め等へ応用できると考えられる。本研究では、体内マーカ位置の時系列情報から呼吸位相をモニタする方法を開発し、患者位置決めに応用した場合の照射効率をログから評価した。提案手法により、照射の高精度化が期待できるゲートウィンドウサイズ(±1mm)においても、20%程度の照射効率が得られており(通常の位置決めの場合10%以下)、臨床で許容可能な照射効率を維持しつつ、照射精度を向上できる可能性が示された。
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