研究課題
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の実施にあたり、少なくとも血液中のホウ素濃度を照射中に短時間に把握する必要がある。従来原子炉BNCTでは、即発ガンマ線分析が利用可能であった。また、あわせてプラズマ発光分析を照射中に施行して中性子照射時間を決定していた。照射時間によって中性子線量を決定するため、ホウ素濃度は治療効果、副作用にかかわる極めて重要な測定値である。現在、原子炉に代わって、加速器中性子線源が国内外で開発され、臨床研究が一部開始されており、今後病院併設型BNCTが可能になる見込みである。日本原子力研究開発機構、のち量子科学技術研究開発機構の高崎量子応用研究所において、Micro beamを用いた微小サンプルの元素分析が可能であり、これを用いたホウ素分析の可能性について検討した。利用した機器はMicro Proton Induced X ray Emission およびMicro Proton Gamma ray Emission (micro PIXE and PIGE)であり、これらを用いて細胞、組織でのホウ素濃度測定手法について検討した。血液、溶液中のホウ素濃度は半定量的に、必要な5-10分程度の時間での測定が可能であった。細胞内ホウ素濃度は、細胞の同定、ホウ素カウントの検出は可能であったが、背景との差が小さく、細胞内外の比率は目視で確認できなかった。画像処理で細胞内外比を算出する手法を開発した。組織ホウ素分布については、組織の形態学的構造が低分子の分布では可視化が困難であり、さらなる検討を要する。
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