研究課題/領域番号 |
26460728
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
久冨 信之 香川大学, 医学部, 准教授 (20552045)
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研究分担者 |
山本 由佳 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (30335872)
河井 信行 香川大学, 医学部, 准教授 (40294756) [辞退]
西山 佳宏 香川大学, 医学部, 教授 (50263900)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | PET検査 / 定量解析 / 動脈入力関数 / 非侵襲化法 |
研究実績の概要 |
PET撮像によるデータから定量機能画像を得るために画像解析計算を行う。この計算には撮像データに加えて動脈血液入力関数を要する。本研究では動脈採血を要せず入力関数を得る方法、すなわち非侵襲法の開発を目的とした。 このため、本研究では、PET画像から得た組織カーブから最適化法により入力関数を得る方法を開発した。すなわち、同分野の画像解析で用いられる2つのモデルであるSingle tissue compartment modelおよびTwo tissue compartment modelの両方に対し、微分方程式を解く手法を採用することで血液入力関数を組織カーブの微分および積分を含んだ数式で表現することに成功した。この数式に基づき最適化法を採用する方法を開発した。最適化法は、非線形最少二乗法であるGauss-Newton法、Powell法、Grid-Search法を採用した。 開発した方法の有効性の確認のためシミュレーションによる確認を行った。具体的には、入力関数を再構築するため上記のGauss-Newton法、Powell法、Grid-Search法の複数の最適化法について検討した。また、画像上のノイズから受ける影響について検討中である。 また、実データでの検討が重要であり、当施設でPET検査を実施した脳血流・酸素代謝量(15O2-H215O)検査、グルコース代謝(18FDG)検査、細胞増殖能(18FLT)検査データにおいて、脳虚血あるいは脳腫瘍疾患病変無と診断された被験者群について、入力関数推定法を適用した。その有効性について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)本研究において重要な、血液入力関数を組織カーブで表現する方程式を開発することに成功した。 (2)シミュレーションにより、開発した方程式から一定の条件のもとで入力関数を再構築することができた。 (3)実データにおいて、更に検討が必要であるが、おおむね測定した入力関数と同等な入力関数を得ることができている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)最適化法については初年度に実施したGauss-Newton法、Powell法、Grid-Search法に加えて独立成分分析法について検討する。本方法により結果の精度向上が期待できる。 (2)シミュレーショにおいて、計算の際仮定している項目に対する影響、あるいは仮定しても問題ない項目につての検討し、入力関数およびそれに伴う定量機能画像の精度向上について検討する。 (3) PET検査データ適用による有効性を健常者および病変があると診断された群について本方法を適用し検討する。特に病変部において、モデルの仮定する条件の有効性について未知であるため、その条件の変更等について検討する。 (4) 画像の正当性:再構築した入力関数を適用し定量機能画像を計算し、動脈採血により測定した入力関数を適用した画像と比較し、本方法の正当性を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究課題について、当年度実施予定の内容が計画通りに進んだ。また、残額が少額であったため使用を次年度とし、より充実した研究を進めるほうが有用と考えた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度実施予定の検査等に使用する薬剤購入費に充てる。
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