研究課題/領域番号 |
26460730
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 敏秋 岩手医科大学, 医学部, 助教 (20438500)
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研究分担者 |
世良 耕一郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00230855) [辞退]
小笠原 邦昭 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00305989)
米澤 久司 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (20240377)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | PET / 脳血流 / アミロイド |
研究実績の概要 |
平成28年度の研究実施予定は脳の定量値の解析であった。脳の変性疾患の症状はバランスの破たんにあるということから左右差、対小脳比等での差とを見るとともに、画像解析ソフト statistical parametric mapping (spm)を用い画像解析を実施した。統計解析は正常な人との違いを可視化するソフトウェアであるため正常人が必要である。しかしその正常人の脳血流、アミロイドの画像を、標準能へ被験者の脳をテンプレ-トと呼ばれる標準能へ合わせこむところで解析が遅れていた。線形変換ではあるがテンプレートへの合わせこみは成功し、解析結果から脳血流低下部位とアミロイドの集積部分は一致していないことを3D画像で可視化した。アミロイドはp-53たんぱくを刺激しアポトーシスを誘発するとされている。それであれば血流低下とアミロイド集積は関係が認められると考えた。方法は脳血流、アミロイド画像を標準化し、平均±2SDの値を閾値とする。アミロイド集積部分を赤、脳血流低下部分を青、両者低下している部分を緑で表示した。それぞれのスライスごとに色付けし最後に3D化し表示した。被験者はほぼ認知症になっているため、両者低下部分が多く表示されるはずであるが、これらは一致しいないことが確認された。 上記とは別に本研究費で、PET画像の詳細表示のためのファントムスタディを実施している。およそ東北地方の10施設、12台のPET、PET/CTで現在どの程度のものが描写されるのかの試験となる。ほとんどの施設は実験が終了したが、まだ1施設が残っており、今年の6月に実験予定である。解析は物理評価と視覚評価と実施予定である。物理評価はファントムが非常に細かいために、バックグランをを引いてその個数を評価する予定であり、解析準備を徐々に進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ファントム実験及び脳解析の半分は終了した。ファントム実験は残り1施設となり脳の解析は脳血流のボリュームとのアミロイドの関係を見る予定である。したがってその解析と評価を残すのみである。脳血流とアミロイドは一致しなかったがPETはそのピクセルの数が脳の容量であり、ピクセルのカウントが血流量である。本年度は最終年度であるため昨年度に実施した血流とアミロイド集積に加え代謝との関係を明らかにする。解析によるハードルがとれたことで昨年が出遅れていた能解析が大いに進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度はこれまでのファントムスタディの解析をまとめて発表する。さらに脳血流とアミロイドの関係は脳血流の量を細胞のボリューム、酸素代謝画像も併せて解析する予定である。ファントム実験及び脳解析の半分は終了している。アミロイドは細胞の外に蓄積されることになっている。しかし、細胞内のミトコンドリアに作用し,細胞の代謝低下に作用するとの報告もある。したがって課題は脳における代謝の低下は一見関連性のない部分に起こることであるため、これらを何らかの方法で予測できれば治療法につながる可能性がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
ソフトウェアの購入時の見積もり時より消費税が上昇していた。そのため価格交渉を実施した。されに、当初購入予定であったパソコンよりも性能がよく、安いものを見つけたため、そちらを購入したことが理由。
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次年度使用額の使用計画 |
発表が英語であったりするため英文校正等に使用する予定。
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