本研究では、メタクリル酸エステル、脱酸素剤、放射線架橋ゲルから成るシート状ポリマーゲル線量計材料を作製した。ヘリウム線、炭素線、鉄線の線量率が高いほど、ゲル線量計材料の白濁度合い(吸光度)は低下した。線量率を一定にして比べると、吸光度は、ヘリウム線、炭素線、鉄線の順に低下することがわかった。高線量率や高LETの照射では、ラジカルの再結合や不均化による停止反応が起き易くなったためと考えられる。一方、ブラッグピーク付近で吸光度は極大を示し、本ゲル線量計材料により粒子線の水中飛程に沿った線量を評価できることがわかった。さらに、シート状ゲル線量計の積層体により、3次元線量分布を評価できた。
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