研究課題/領域番号 |
26460765
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
木津喜 雅 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (80431964)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 親子関係 / 生活習慣 |
研究実績の概要 |
平成25年度の社会福祉行政業務報告による児童相談所および市町村における児童虐待相談の対応件数の合計値を用いて、総件数に占める主な虐待者別、相談種別別、被虐待者の年齢別の件数の割合を都道府県別に算出した。被虐待者の年齢別の割合についてはさらに平成22年度の国勢調査による年齢階級人口割合で補正した。平成25年度の国民生活基礎調査より20~24歳および25~29歳における「バランスの取れた食事をしている」、「食べ過ぎないようにしている」、「適度に運動をするか身体を動かしている」、「たばこを吸わない」、「お酒を飲みすぎないようにしている」に該当する者の割合を都道府県別に算出した。児童虐待相談の対応件数の割合と健康的な習慣を有する者の割合との相関を検定した。主な虐待者が実母である割合と20~24歳における「食べ過ぎないようにしている」割合とに負の相関(-0.27、p=0.043)、25~29歳における「たばこを吸わない」割合とに正の相関(0.34、p=0.009)を認めた。相談種別が身体的虐待である割合と25~29歳における「適度に運動をするか身体を動かしている」割合とに負の相関(-0.22、p=0.039)、相談種別が性的虐待である割合と25~29歳における「お酒を飲みすぎないようにしている」割合とに負の相関(-0.28、p=0.041)を認めた。被虐待者の年齢が3歳~学齢前児童である割合および中学生である割合と25~29歳における「お酒を飲みすぎないようにしている」割合とにそれぞれ正の相関(0.31、p=0.018)、負の相関(-0.29、p=0.047)を認めた。児童虐待の対応件数と成人の生活習慣に一貫した関連を認めなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
住民調査の対象者を決定し、調査票を作成した。調査のプレテストを兼ねて児童虐待相談の対応件数の割合と健康的な習慣を有する者の割合とを分析したが、調査の感度を高めるため調査票の再検討が必要であることが判明した。
|
今後の研究の推進方策 |
幼少期の愛着パターンと成人期の生活習慣および健康状態との関連、その関連における自尊感情、自己効力感、ソーシャルスキル、ソーシャルサポートの影響を横断的に分析する。幼少期の愛着パターンが成人期の生活習慣および健康状態へ与える因果関係とそのメカニズムについて構造方程式モデルを作成し、縦断的に解析する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
調査のプレテストを兼ねて児童虐待相談の対応件数の割合と健康的な習慣を有する者の割合とを分析したが、調査の感度を高めるため調査票の再検討が必要であることが判明した。住民調査を調査票の改良後とした。
|
次年度使用額の使用計画 |
住民を対象とした調査を実施し、幼少期の愛着パターンについてより広くデータを収集する。
|