研究課題/領域番号 |
26460768
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
古川 慎哉 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60444733)
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研究分担者 |
廣岡 昌史 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (30432785)
日浅 陽一 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70314961)
谷川 武 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80227214)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 睡眠呼吸障害 / 肝細胞ガン / 発がん / 睡眠時間 |
研究実績の概要 |
[背景]平成20年の人口動態統計による日本人の死因のなかで、肝疾患は16,229名、さらに悪性新生物のなかでは慢性肝炎および肝硬変を基盤として高頻度に発生する肝臓の悪性新生物によるものは、33,660名(男性22,329名、女性 11,331名)とされている。肝の代表的な悪性新生物である肝細胞癌の原因の多くはC型肝炎ウイルスで、肝炎ウイルスをターゲットとした肝炎、肝硬変対策が既に国を挙げて行われている。一方で、近年、肝炎ウイルスに加えて肥満や生活習慣病に関連した肝疾患が増加しつつある。また、肥満を有した肝疾患患者が増加傾向にある。諸外国での疫学研究では、肥満が発がんを有意に増加させることが示されている。睡眠呼吸障害(Sleep Disordered Breathing: SDB)は肥満者において有病率が高く、血管内皮細胞増殖因子やHIF(Hypoxia-inducible factor)など発がんに関連するサイトカインを増加させる。以上のことからSDBが発がんに関連する可能性が考えられる。しかし、SDBと発がんに着目した疫学研究はない。 [目的]肝臓疾患患者を対象としてSDBのスクリーニングを実施し、肝機能、肝予備能、肝硬変、肝細胞がん、がんの治療効果との関連性について調査解析を行う。特にSDBと肝細胞がんとの関連性について重点的に調査し、SDBと発癌との関連性を明らかにする。 [対象および方法]愛媛県内の各地域の基幹病院である10病院(日本消化器病学会教育認定施設10施設を含む)通院中の肝疾患患者約1,000名を対象とする。SDBおよび種々の肝機能、発がんの有無、肝予備能、睡眠状況などの詳細な生活習慣の調査を実施する。その後3年間にわたって縦断的な追跡を行い、肝細胞がんの再発などをアウトカムとして調査を実施する。[現在の登録状況]61名の肝細胞がん患者のSDBおよび睡眠や生活習慣に関する調査が終了している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、主として大学病院での登録が進んでいる。SDBの機器の台数などの関連から、同意を受けながらも、睡眠呼吸障害の検査ができない状況であったため、やや症例登録が遅れている。現在は週に3名から4名程度の患者同意取得および登録ができる体制になっている。また、主として肝細胞がんとの発がんとの関連性に着目した研究のため、肝細胞がん患者を優先的に同意取得および登録を行っており、症例数は予定よりもやや少ない。
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今後の研究の推進方策 |
県内の他の関連医療機関での登録を開始する予定としており、登録症例数の増加が可能な体制となる。また、肝細胞ガンの方だけでなく、C型肝炎や脂肪肝などの疾患の患者さんにも積極的に本研究への同意を取得する予定としている。症例登録のペースを上げたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
SDBの評価について、台数などの関係から日程通りにできず、検査を次年度に行う必要となったため、また、同時に人件費についても同様に次年度への繰り越す必要がでたため
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次年度使用額の使用計画 |
睡眠機器や人件費などでの使用を予定している。
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