研究実績の概要 |
平成28年に郵送調査を実施し、1,469人から回答を得た。回収率は50%と、これまでと比べ低率であった。平成29年度は、調査結果の解析と発表を行った。今回の解析の指標は生活の自立度とした。生活の自立度を調べるのは13項目である。手段的日常生活動作と呼ばれ、一人で外出(バス・電車)、買い物、食事の用意、支払、預貯金の出し入れ、書類の作成などについてできるかを尋ねている。また、新聞・本を読んでいるか、健康についての記事や番組への関心、友達の訪問、相談、見舞い、話しかけなどである。13項目の手段的日常生活動作に対し、できるに1点を与え、すべてできれば13点となる。 食品の種類は13種類で、魚介、肉、卵、牛乳、緑黄色野菜、海藻その他である。これらの食品をほとんど毎日食べると回答したものを1点とし、すべて該当すれば13点満点となる。9点以上が望ましいとされている。 地域活動とは町内会、老人クラブ、趣味などのサークル、ボランティア活動のいずれかに参加していることとした。 まず運動と生活の自立度との関連をみた。85-89歳をみてみると、運動しないは生活の自立度6.6点、月1~3回は7.6点、週1回以上は9.3点で、運動をする頻度が高いほど、生活の自立度が高くなっている。 食品摂取の多様性スコアと生活の自立度との関連では、85-89歳では、3点以下で7.7、4~8点では9.0、9点以上は9.5となり、食品摂取の多様性スコアが高いほど生活の自立度が高い傾向があった。90歳以上も同様の傾向であった。
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