研究課題/領域番号 |
26460770
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大森 久光 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (70271442)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 慢性閉塞性肺疾患 / COPD / 呼吸機能 / 気流閉塞 / 併存症 / バイオマーカー / 疫学 / 健康診断 |
研究実績の概要 |
本研究は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、閉塞性換気障害およびその併存症とBiomarkerとの関連について解析し、健康診断におけるその早期診断および包括管理の手段として応用展開するための基盤となる研究を行なうことにある。 本年度は、呼吸器専門の施設においては、主にCOPDのより重症例を、クリニックおよび健診機関においては、より軽症例(閉塞性換気障害者)または呼吸機能正常例(対照者)のリクルートを開始しており、順調に症例の収集ができており、目標症例数を確保できる見込みである。 測定項目として、血漿フィブリノーゲンおよび尿中アルブミンの測定を予定していたが、協力機関との協議の上、余剰血清を用いて測定可能であり、呼吸機能との関連が諸外国の報告より示唆されているビタミンDの測定を追加した。倫理委員会での承認後にリクルートを開始している。すでにリクルートされた対象者の医療情報および健診データとして、既往疾患および治療中疾患、生活習慣(喫煙習慣等)、測定項目として身長、体重、体脂肪率、腹囲などの体型因子、血圧、呼吸機能検査および血液検査全般(特に炎症のバイオマーカー:WBC,CRP等)、画像情報として胸部X線所見、CT所見を順次収集している。呼吸機能(FEV1)の経年変化とこれらのBiomarkerとの関連について縦断的に解析するため、医療機関および健診機関において保存されているデータを活用する。 これらのデータを基に、喫煙者COPD、非喫煙者COPD、喫煙者閉塞性換気障害、喫煙呼吸機能正常者に分けて検討する。肺の合併症および併存症を有する者無い者において検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究対象者のリクルートのための環境整備(選定方法、質問票の内容、必要検査項目、提供の必要なデータ、研究協力者への説明と同意、研究に要した経費の請求方法、各施設での準備状況等)に時間を要したが、医療機関での症例は目標数に達しつつあり、その他クリニックおよび健診機関において順調にリクルートができている。熊本のクリニックおよび健診機関においてのリクルートに関しては、熊本地震の影響により遅れを生じたが、今後目標症例数のリクルートは可能であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
目標症例数に達するまでリクルートを継続し、早期にリクルートの完了を目指す。リクルートされた対象者に関しては、本研究で測定したBiomarkerと提供されたデータ(既往疾患および治療中疾患、生活習慣(喫煙習慣等)、測定項目として身長、体重、体脂肪率、腹囲などの体型因子、血圧、呼吸機能検査および血液検査全般(特に炎症のバイオマーカー:WBC,CRP等)、画像情報として胸部X線所見、CT所見等)を順次突合する。喫煙者COPD、非喫煙者COPD、喫煙者閉塞性換気障害、喫煙呼吸機能正常者に分けて順次、横断的、縦断的に解析を行う。また肺の合併症および併存症を有する者無い者において検討する。研究期間内の分析完了を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
各協力機関と研究対象者のリクルートを開始するまでの手順の協議、実施体制の周知等、各施設での倫理委員会等、研究に関する環境整備に時間を要したため、主に測定費用として計上していた物品費が残った。本年度の測定の費用については、その他の項目に含む。現在は、目標症例数を達成すべくほぼ順調にリクルート中である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度も対象者のリクルートを継続する予定であり、測定費用および人件費・謝金として使用する。
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