研究実績の概要 |
本研究は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、閉塞性換気障害およびその併存症とBiomarkerとの関連について解析し、健康診断におけるその早期診断および包括管理の手段として応用展開するための基盤となる研究を行なうことを目的とした。 研究期間内に、呼吸器専門施設において、主にCOPDのより重症例を、クリニックおよび健診機関においては、より軽症例(閉塞性換気障害者)または呼吸機能正常例(対照者)のリクルートを行ない目標症例数を確保した。 測定項目として、血漿フィブリノーゲンおよび尿中アルブミンの測定を予定していたが、協力機関(健診機関)との協議の上、余剰血清を用いて測定可能であり、呼吸機能との関連が諸外国の報告より示唆されているビタミンDの測定を、倫理委員会での再度の承認後に追加した。リクルートされた対象者の医療情報および健診データとして、既往疾患および治療中疾患、生活習慣(喫煙習慣等)、測定項目として身長、体重、体脂肪率、腹囲などの体型因子、血圧、呼吸機能検査および血液検査全般(特に炎症のBiomarker: WBC,CRP等)、画像情報(CT所見等)を取集した。呼吸機能と喫煙習慣と炎症のBiomarker、血漿フィブリノーゲン、尿中アルブミン、およびビタミンDとの関連について検討中である。現在までの検討では、気流閉塞と血清ビタミンD値との間には明らかな関連を認めていない。引き続き、他のBiomarkerと呼吸機能との関連について解析を進めている。また、呼吸機能(1秒量)の経年変化のデータを有する者において保存されているデータと上記Biomarkerとの関連について検討中である。
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