現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の平成26年度は観察開始時のリスクとCAVIの関連(断面調査)について、1000例の5年間の前向きイベント調査ならびに解析が行われた。平成27年度は、症例数を1562例まで増やし、そのうち適応外を除外した1003例に対し、解析が行われた。平均follow-up期間は6.7±1.6年、90例(9.0%)が新規の冠動脈イベントを発症した。BaselineのCAVI値を元に4分位 に分けた(Q1: CAVI ≤8.27, Q2: CAVI 8.28-9.19, Q3: CAVI 9.20-10.08, Q4: CAVI ≥10.09)。男性であること、将来の冠動脈イベントは、CAVIの分位が上がるごとに高かった。Cox比例ハザードモデルでは、CAVIが1上昇すること[hazard ratio (HR) 1.126, p= 0.039]、男性 (HR 2.276, p=0.001)、喫煙 (HR 1.846, p=0.007)、糖尿病 (HR 1.702,p=0.020)、高血圧 (HR 1.682, p=0.023)が、冠動脈イベントに対する独立したリスクであった。 この研究により、CAVIの高値は冠動脈イベント発症の独立した予測因子として十分なものと考えられた。CAVIにとってこのような報告は初めてのものであり、この成果は数回の国内学会での発表と、英文の原著論文での発表が行われた。
Sato Y, Saiki A, et al. Cardio-Ankle Vascular Index is Independently Associated with Future Cardiovascular Events in Outpatients with Metabolic Disorders. J Atheroscler Thromb. 2015 Dec 2. [Epub ahead of print]
Saiki A, et al. The Role of a Novel Arterial Stiffness Parameter, Cardio-Ankle Vascular Index (CAVI), as a Surrogate Marker for Cardiovascular Diseases. J Atheroscler Thromb. 2016 Feb 1;23(2):155-68.
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