研究課題
目的;長期・連続在宅自動活動記録による認知行動療法を用いた疾患管理システムの構築する。方法;在宅生体センサーとして、血圧計、体重計、歩数計またはウェアラブル生体センサーのいずれかまたは複数使用した。性格特性としてTEG(東大式エゴグラム)による交流分析、パーソナリティ特性としてNEO-FFIを施行した。その後、在宅センサーによる記録を解析し、健康科学センター受診時のその結果を参考にアドバイスし、希望者には定期的にメールによる支援メールを配信し、その効果を検証した。行動変容支援ロジックとして、毎日の歩数に対しては、過去3日間の平均歩数の変化をその前の3日間と比較し増加、不変、低下に分類した評価した。結果;対象は生体センサーによる遠隔指導群116名、対照群(通常の対面指導のみ、遠隔指導なし)74例、脱落例13例である。内訳は、肥満患者80例、心筋梗塞患者18例、耐糖能異常36例、脂質異常症57、高血圧症64例(重複を含む)である。全体の平均年齢は57.4±16.8才、肥満患者は平均年齢41.1±10.8才、体重は男性87.4±20.9kg、女性78.1±11.4kg、BMI;31.2±5.7であった。生体センサー群および対象群において、肥満例では減量効果において両者に有意な差は認めなかったが、活動量の変化は、生体センサーによる遠隔指導群において、平均歩数4530±3400歩/日より5890±2900歩/日と有意に増加した。生体センサーによる介入前の体重より5%以上減量できた例では、非減量例に比べTEGによるA;客観性の有意な高値を認めた。総括;肥満症、高血圧、心筋梗塞などの生活習慣病や心疾患患者において、ITによる在宅遠隔自動生体情報の記録、遠隔評価、支援はその病態の改善に有用と考えられた。
すべて 2016
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Diabetes Metab J.
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doi.org/10.4093/dmj.2016.40.2.147
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