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2014 年度 実施状況報告書

食品成分による分子標的癌予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26460792
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

吉田 達士  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80315936)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードTRAIL / DR5 / 併用予防 / 転写因子
研究実績の概要

抗腫瘍薬TRAILの問題点を克服するために本研究を行った。TRAILの問題点としては、癌細胞の耐性とリコンビナントTRAILの安定性・薬剤送達である。内在性TRAILを発現させる誘導剤の探索すると共に、DR5発現誘導剤との併用し、これらの問題点を克服することを目的としている。
TRAIL発現誘導食品成分のスクリーニングを行い、海産カロテノイド1種、フラボノイド1種、イソチオシアネート1種、脂肪酸代謝産物1種を見出した。また、食品成分以外の化合物2種もTRAILの発現を誘導していることを見出した。
脂肪酸代謝産物がTRAILの発現を制御するメカニズムを解析したところ、白血病関連転写因子の発現がTRAILの発現同様に増加しており、この転写因子との関係を調べた。TRAILのプロモーターをルシフェラーゼ遺伝子の上流に組み込んだレポータープラスミドを用いてルシフェラーゼアッセイを行った結果、この転写因子を発現させることで転写活性が増強された。また、白血病細胞株にこの転写因子を過剰発現させると、TRAILのmRNA量の増加が認められた。これらの結果から、この白血病関連転写因子は新規のTRAIL発現制御因子であることが示された。
また、非ステロイド系抗炎症剤によるTRAIL受容体DR5の発現制御メカニズムを解析した。この薬剤はZinc finger型転写因子の発現を誘導し、この転写因子の発現を介してDR5の発現を誘導していることを、siRNAを用いて明らかにした。また、DR5のプロモーター上にこの転写因子の結合配列が存在することを見出した。部位特異的変異を導入することで、見出した結合配列を介してDR5の発現増加が起こっていることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

スクリーングの結果、TRAILの発現を誘導する食品成分を見出すことができ、当初の目的を達成できていると考えられる。また、脂肪酸代謝産物に関しては、TRAILの発現を制御する転写因子も見出すことができ、TRAIL発現制御に関わる新たなシグナル経路を明らかにすることができた。また、DR5発現制御に関わる新規シグナル経路の発見もできたので、TRAIL-DR5併用予防法の開発につながるものと考えられる。

今後の研究の推進方策

新たに発見した白血病関連転写因子とTRAIL発現制御の関係をより詳細に解析する。この転写因子の抑制因子を既に同定しており、この抑制因子とTRAILの関係も解析する。また、他のTRAIL発現誘導食品成分の作用メカニズムも解析し、動物を用いた併用予防実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件)

  • [雑誌論文] Loss of Runx1/AML1 arginine-methylation impairs in peripheral T cell homeostasis.2015

    • 著者名/発表者名
      Mizutani S, Yoshida T, Zhao X, Nimer SD, Taniwaki M, Okuda T.
    • 雑誌名

      Br J Haematol.

      巻: 未定 ページ: 未定

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Myeloid zinc finger 1 mediates sulindac sulfide-induced upregulation of death receptor 5 of human colon cancer cells.2014

    • 著者名/発表者名
      Horinaka M, Yoshida T, Tomosugi M, Yasuda S, Sowa Y, Sakai T.
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 4 ページ: 1-8

    • DOI

      10.1038/srep06000.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2016-05-27  

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