研究実績の概要 |
1.炎症(耳介浮腫)誘導:1-chloro,2,4-dinitrobenzene, glutaraldehyde, formaldehyde各々0-20%溶液を片側の耳介に塗布(40μL/day,3 days)後、4日目に耳介一定面積の重量差(感作性物質塗布耳介-溶剤塗布耳介)を用いて、耳介浮腫誘導に関する量反応関係を調べた。12mgの重量差をもたらす濃度(%)は、1-chloro,2,4-dinitrobenzene 1.5, glutaraldehyde 5.0, formaldehyde 20であった。
2.アリルニトリルの抗炎症作用の評価:マウスを4群作成した。1)対照(蒸留水,P.O.),2)アリルニトリル(50μmol/kg,P.O),3) アリルニトリル(100μmol/kg,P.O),4)アリルニトリル(200μmol/kg,P.O)。処理は7日間行い、5,6,7日目に12mgの重量差をもたらす濃度の感作性物質を塗布した。8日目に耳介浮腫および好中球の浸潤(myeloperoxidase activity)の評価を行った。1-chloro,2,4-dinitrobenzeneによる浮腫はアリルニトリル100μmol/kgで、glutaraldehydeは50μmol/kgで抑制され、formaldehydeは抑制傾向であった。好中球の浸潤は認められたものの、浮腫の抑制とは関連していなかった。
アリルニトリルによる浮腫抑制はこれまで知られていなく、その作用を活性酸素との関連で明らかにすることは重要である。
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