研究課題/領域番号 |
26460805
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
曽和 義広 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70315935)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | スクリーニング / ヒストンメチル化 |
研究実績の概要 |
ヒトウィルムス腫瘍細胞株G401は、転写抑制に働くヒストンH3K27のメチル化が亢進しており、したがって、そのヒストンのメチル化によりがん抑制遺伝子であるp16遺伝子の発現が低下していることが知られている。 そこで、ヒストンのメチル化抑制にスクリーニング系として、このG401細胞を用いてp16遺伝子の発現上昇を指標としたcell-basedのスクリーニング系を確立した。 スクリーニング系の確立においてはpositive controlの設定が重要であるため、ヒストンH3K27のメチル化に働くヒストンメチル化酵素EZH2に対する阻害剤であるGSK126を用いた。GSK126処理により、G401細胞でのp16発現を確認し、GSK126がこのスクリーニング系のpositive controlとして働くことを確認した。 そこで、まず文部科学省・新学術領域・がん支援・化学療法基盤支援活動班が提供している標準阻害剤キットを入手し、それら化合物のp16誘導能を評価した。 その結果、ある化合物がp16の誘導能を示したが、その化合物に関しては、近年、ヒストンのメチル化に作用することが既に報告されていた。 次に、天然化合物ライブラリー及びFDA承認医薬品ライブラリー等を入手し、それらの化合物のp16誘導能を実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
天然化合物ライブラリー及びFDA承認医薬品ライブラリーの化合物数が多いことに加え、p16発現を評価するTaqman RT-PCRに供するサンプルの前処理が煩雑であることで、スクリーニング作業に時間がかかっている。 またcell-basedのスクリーニング系のため、細胞の状態にデータが左右されやすいことも要因となっている。
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今後の研究の推進方策 |
Taqman RT-PCRに供するサンプルの前処理の工程を変更することで、スクリーニングの迅速化を目指す。 またヒストンのメチル化状態をp16遺伝子の発現上昇を指標として間接的に評価するだけでなく、直接、ヒストンのメチル化状態をELISA法により測定する手法を導入することでスクリーニングの迅速化を目指す。
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