研究課題
種々の食中毒を同時に簡便・迅速に鑑別診断ができれば、食の安心・安全確保、また早期発見・早期予防・早期治療に役立つことができる。検出法としては、迅速・簡便なイムノクロマト法やマイクロアレイ法が考えられる。ただし、これらの方法を行うには単クローン抗体などの特異的かつ感度のよい抗体が必要であるため、必ずしもあらゆる微生物の検出に使われているわけではない。本研究では食中毒の原因となるウイルスおよび細菌に対する単クローン抗体を作製し、網羅的・体系化することにより、数種の食中毒を一度に、迅速・簡便・安価・多検体鑑別診断可能な検査法を開発することが目的である。対象となる細菌は、キャンピロバクター、サルモネラ、腸炎ビブリオ、病原大腸菌、腸管出血性大腸菌(ベロ毒素産生菌)、黄色ブドウ球菌、セレウス菌およびウエルシュ菌である。また、ウイルスとしては、ノロウイルスおよびサポウイルスである。すでに実用化したもの(ノロウイルスのイムノクロマト法)を除き、抗体として、キャンピロバクター(外膜蛋白)、サルモネラ(鞭毛蛋白)、腸炎ビブリオ(耐熱性溶血毒)、病原性大腸菌(易熱性毒素)、黄色ブドウ球菌(エンテロトキシン)、ウエルシュ菌(α毒素)、セレウス菌(セレウリド)およびサポウイルス(共通抗原)に対する抗体を樹立した。ELISA法やウエスタンブロット法にてその特異性や交差性の確認と抗原的解析を行った。また、網羅的にELISA法では有用であることを確認した。今年度は、抗ベロ毒素、抗黄色ブドウ球菌エンテロトキシン、抗サルモネラ鞭毛蛋白、カンピロバクター外膜蛋白、抗ウエルシュ菌α毒素抗体がイムノクロマト法に応用可能であることを確認し、複数の組み合わせにより同時診断の可能性を検討した。
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