高脂肪食(HF)摂取マウスにおける酪酸菌(CBM)の脂肪肝予防効果を検討した。12週後にはHF群では脂肪肝がみられたが、HF+CBM群では肝への脂肪沈着が著明に抑制された。肝臓の代謝産物の解析(メタボローム)では、肝での脂質代謝の亢進はみられなかった。糞便中の中性脂肪はHF群とHF+CBM群で差がなかった。盲腸の腸内叢細菌の解析では、HF+CBM群ではClostridiumが増加し、C. butyricum(酪酸菌)が関与する酪酸性遺伝子が増加した。肝臓でのマイクロアレイ解析とリアルタイムPCRの結果より、酪酸菌投与による脂肪肝抑制は、肝臓での脂肪の吸収阻害を介する事が示唆された。
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