海産魚摂取に伴う蕁麻疹等のアレルギー症状は、アニサキス(海産魚に寄生する線虫)がその一因と考えられている。アニサキス感作動物にそのホモジネートを投与した場合に抗体反応を増強させる抗原分画のうち、熱処理に耐性な約35kDaと14kDa分画の同定を試みた。35kDa分画はアニサキスアレルゲンの一つであるヘモグロビンであり、他方は同アレルゲンのAni s 9またはミオフィリンと考えられた。国内アニサキス症の主原因Anisakis simplex sensu strictoのヘモグロビンmRNAの塩基配列およびアミノ酸配列を同定し、同胞種(A.pegreffii)間の変異を明らかにした。
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