研究課題/領域番号 |
26460826
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
藤田 美鈴 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00301680)
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研究分担者 |
羽田 明 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00244541)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 診療報酬明細書 / 特定健康診査 / 医療費 / 妥当性の評価 |
研究実績の概要 |
診療報酬明細書データ(平成25年10月から平成26年9月提出分)、調剤レセプトデータ(平成24年4月から平成26年3月提出分)、平成25年度特定健康診査データ、平成25年度資格データが提供された。提供されたデータの件数は、それぞれ5,523,597件、9,859,820件、57,875件、243,689件であった。データ提供に際しては、既に作成済みの匿名化ソフト(個人番号などをランダムな番号に変換)を使用した。本年度から、新たに調剤レセプトが提供されたため、本ソフトの改修を行った。また、処理の高速化の改修を行った。診療報酬明細書データについては、過誤レセプトの削除、個人番号が空白であるデータへの個人番号の付与(世帯番号、性別、生年月により特定)、個人ごとの医療費の集計などの処理を外部業者に委託して行った。 特定健康診査データと調剤レセプトデータの突合を行い、特定健康診査の必須項目である服薬の調査の妥当性の評価を行った。血圧降下剤、糖尿病用剤、高脂血症用剤のいずれにおいても高い感度と特異度が観察され、高い妥当性が認められた。さらに、男女別、年齢別、所得別に妥当性を評価したところ、いずれのグループにおいても高い感度と特異度が観察された。服薬の調査は特定健康診査の必須項目であり、治療の有無は、この質問票で評価されることが多い。今年度の研究により、この質問票の妥当性が確認できた。本研究の最終目標は、生活習慣病治療による医療費抑制効果の検証であるが、今後、医療費のデータを蓄積し、質問票で治療の有無を判断した場合、調剤レセプトを用いて治療の有無を判断した場合の2パタンで医療費抑制効果の検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定どおり診療報酬明細書データ、特定健康診査データ、資格データが提供された。さらに、服薬の妥当性の評価を行うために、調剤レセプトデータの提供を受けた。データ提供に際しては、匿名化ソフトにて個人番号等をランダムな番号に変換した(自治体実施)。レセプトの集約作業についても予定通り外部業者にて実施された。さらに、質問票による服薬の調査の妥当性の評価を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
予定どおり、平成27年度、平成28年度も診療報酬明細書データ、特定健康診査データ等のデータ蓄積を行う。昨年同様、データの集計作業は外部業者に委託して行う。質問票による服薬の調査の妥当性の評価について論文等で公表する。平成28年度データまでを蓄積し、服薬による医療費抑制の効果を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
外部業者に委託した匿名化ソフトの改修及びデータ集計作業に要する費用の一部を他の費用でまかなえたため
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次年度使用額の使用計画 |
データ提供自治体及び国保連合会の状況により、来年度以降のデータ提供については、一部提供データの型の変更が発生する可能性がある。その場合には、匿名化ソフト及びデータ集計作業に修正が必要となり、予定以上の費用が必要となる。 また、昨年は、匿名化作業の高速化のため高性能のワークステーションを購入し、自治体に設置した。しかし、当初予定していた解析用のパソコンを購入していないため、平成27年度に購入する。
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