研究課題/領域番号 |
26460826
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
藤田 美鈴 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00301680)
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研究分担者 |
羽田 明 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00244541)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 診療報酬明細書 / 特定健康診査 / 医療費 / 妥当性の評価 |
研究実績の概要 |
診療報酬明細書データ(平成26年10月から平成27年11月提出分)、調剤レセプトデータ(平成26年4月から平成27年11月提出分)、平成26年度特定健康診査データ、平成26年度資格データが提供された。今年度提供されたのべ件数は、それぞれ、6,336,764件、8,121,532件、59,245件、237,621件であった。データ提供に際しては、自治体にて既に作成済みの匿名化ソフトを用いて、個人番号等はランダムな番号に変換した。大規模なデータの連結、突合、抽出を行うため、データベース言語であるSQL言語について習得し、データの連結作業等は自前で実施した。 本研究の最終目標は、生活習慣病治療による医療費抑制効果の検証であるが、本分析を行う前に、特定健康診査で必須項目となっている服薬の質問票の妥当性の評価を実施した。今年度は、この結果を論文としてまとめ報告した。レセプトにより把握した服薬の有無をゴールドスタンダードとし、血圧降下剤、糖尿病用剤、高脂血症用剤の質問票の妥当性を評価した結果、感度は、それぞれ、92.4%、82.6%、86.2%、特異度は、86.4%、98.5%、91.0%であり、高い妥当性を観察した。同様に、男女別、年齢階層別、所得別に妥当性を評価したが、いずれも高い妥当性が観察された。 平成28年3月時点で、蓄積された診療報酬明細書データは、平成24年4月から平成27年11月提出分(3年8カ月分)、のべ1,656万件である。今後は、現時点で蓄積できているデータを用いて、最終目標である血圧、糖尿病の服薬による医療費抑制効果の検証を実施する。医療費の分布は、0を多く含む特殊な形をしているため、この分布に合った統計手法を調査検討し、解析を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定どおり自治体より診療報酬明細書データ、特定健康診査データ、資格データ、調剤レセプトデータが提供された。データ提供に際しては、匿名化ソフトにて個人番号等をランダムな番号に変換した(自治体実施)。SQL言語を習得し、レセプトの集約作業を自前で実施できるようになった。さらに、予定していた質問票による服薬の調査の妥当性の評価を実施し、結果を論文として公表した。
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今後の研究の推進方策 |
次回のデータ提供時期は、平成29年1月ころになることから、現時点で蓄積できたデータを用いて血圧及び糖尿病の服薬による医療費抑制効果について検討を開始する。平成28年度中に結果をまとめ、その後論文等で公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
提供されるデータのレイアウト変更が行われず、匿名化ソフトの改修が不要であった。また、SQL言語を習得し、データ集計作業を外部業者に委託せず自前でおこなえるようになった。
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次年度使用額の使用計画 |
データ提供自治体および国保連合会の状況により、来年度以降のデータ提供については、データレイアウトの変更が発生する可能性がある。その場合には、匿名化ソフトの改修が必須となり、予定以上の費用が必要となる。また、今年度は国際学会に参加し本研究に関連する内容を報告する予定である。
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