本研究の目的は、糖尿病の治療実績とその後の医療費の関連を明らかにすることである。まず、自己記入式の糖尿病治療に関する質問票の妥当性の評価を行った。感度および特異度はそれぞれ、82.6%、98.5%であった。次に、血糖が高いにも関わらず治療を受けていない群(未治療群)と糖尿病の治療を受けている群(治療群)の医療費を比較した。ひと月あたりの総医療費および入院外医療費は未治療群にくらべ治療群で高く、入院医療費は両群で有意な差はなかった。本研究は、糖尿病の治療により医療費が抑制できる事実を示すことはできなかった。
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