本研究は,出生コホート研究(A自治体の保健縦断調査)を基盤として,学童期・思春期における「ソーシャル・スキル」に影響する胎児期及び幼児期の環境要因を明らかにすることを目的とする。解析は,学童期・思春期ソーシャル・スキル(SS)データと妊娠届出時の母親の生活習慣と妊娠前後の環境データをリンケージし、SSへの影響要因を階層線型混合モデルにて小中学校別に評価した。結果,小学生と中学生の妊娠前後の母親の生活習慣・周囲環境の各項目について,小学生では性別が女児やSSのバランスが良い,中学生では性別が女児,加えて母親の妊娠前の「海藻類」の摂取頻度が多い場合,SS得点が有意に高くなることが示唆された。
|