研究課題/領域番号 |
26460835
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研究機関 | 広島国際大学 |
研究代表者 |
山内 加奈子 広島国際大学, 心理学部, 助教 (20510283)
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研究分担者 |
丸山 広達 愛媛大学, 農学部, 准教授 (20627096)
加藤 匡宏 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (60325363)
斉藤 功 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (90253781)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 主観的健康感 / 地域高齢者 / JST版活動能力指標 / 老研式活動能力指標 |
研究実績の概要 |
2017年度は,前年度に実施した調査について,性・年齢層別にした簡易分析を行い,対象の市に結果を還元した。
昨年度の研究成果を踏まえ,地域高齢者の主観的健康感に及ぼすJST版活動能力指標と老研式活動能力指標の比較を行った。 【方法】愛媛県T市において65歳以上の高齢者に対する全数調査を実施した。総合的移動能力指標を用いて日常生活範囲が限定されていない(総合的移動能力尺度:1~3)前期高齢者3,191人(51.2%),後期高齢者3,042人(48.8%),合計6,233人について分析を行った。JSTと老研式の各得点の中央値で高群と低群に分類し,I群(高JST,高老研式),II群(高JST,低老研式),III群(低JST,高老研式),IV群(低JST,低老研式)の4群に設定した。主観的健康感の低群を従属変数にし,属性,主要疾病,生活習慣を調整しながらI群を1.00(基準)とした場合のオッズ比および95%CIを求めた。なお,本調査は,愛媛大学大学院医学系研究科の倫理委員会の承認を得て実施した。 【結果】前期高齢者では,主観的健康感の低下に対してIII群とIV群のオッズ比が有意に上昇したが(多変量調整済みオッズ比:III群 1.80 [95%CI:1.35-2.41],IV群 3.63 [95%CI:2.90-4.54]),II群のオッズ比の上昇は明らかではなかった。後期高齢者においては,主観的健康感の低下に対しII群から有意なオッズ比の上昇を認め,II群とIII群はほぼ同等であった。 【考察】前期高齢者ではより高次の生活機能(JST)の低下が主観的健康感に強く影響していた。一方,後期高齢者ではJSTと老研式のいずれかが低下することで主観的健康感が低下した。両指標を併用することで高齢者の生活能力を幅広く評価し,主観的健康感との関連をさらに理解しやすくなることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度は筆頭者の異動により,やや予定が変わったが,本研究は,おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度まで研究を延長したため,それに伴い人口動態調査の延長申請を行っている最中である。延長が認められた後,これまでの研究経過をまとめた解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
異動により研究のスケジュールを変更することになり,それに伴う残金が生じたため,次年度に使用することを予定している。
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