研究課題/領域番号 |
26460836
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
安光ラヴェル 香保子 高知大学, 医学部, 研究員 (60598522)
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研究分担者 |
滿田 直美 高知大学, 医学部, 研究員 (30611389)
鈴木 恵太 高知大学, 人文社会・教育科学系, 講師 (50582475)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 発達障害 / 早期発見 |
研究実績の概要 |
本研究は、自閉症など発達障害児の早期発見のために、迅速で正確な新しいスクリーニングを策定するための新たなインディケーターの探求を目的とする。本研究は、進行中の出生コホート調査(環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」)の追加調査として、出生直後から児の発達をビデオ撮影し前向きの観察すると共に、保護者への質問票調査を実施し、客観的情報(=映像)と主観的な情報(=養育者の「育てにくさ感」)を統合し、見落とされてきた可能性のある発達障害のインディケーターを見つけ出し、新たなスクリーニング開発につなげることとした。 平成26年度には、大学倫理審査申請・条件付き承認、各医療機関の産婦人科及び小児科へ協力依頼・承認 、進行中の出生コホート調査(環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」)への研究申請を実施した。 しかし、エコチル調査参加者への負担増加の懸念等により、当初予定していた通り追加調査としての実施が出来なかったため、平成27年度は、申請時の「研究が当初計画通りに行かない時の対応」に従い、研究計画の練り直しと新計画の実施を目指した。児の評価方法については、協力医療機関(JA高知病院)にて実務に支障のない形でできるように評価方法を簡素化し、NBAS (Neonatal Behavioral Assessment Scale) を基づき、ビデオ撮影の為のパイロットスタディの見直しを行なった。先行研究についての文献検索、撮影したビデオをスクリーニングする医師への依頼、新たに追加するビタミンD測定方法の検討等を実施しながら研究計画の練り直しを行ない、再度大学への倫理審査申請を行なった。(平成28年5月18日現在、倫理審査委員会事務局からの指摘に基づき最終案を作成中。)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成26年度は環境省の「エコチル調査」の追加調査としての実施を予定していたが、エコチル調査参加者の負担になる可能性があること等から、次善の案として計画していた、別途コホートを立ち上げる方向で計画を立て直すことした。 平成27年度は、共同研究者とビデオ撮影などを検討しプロトコールを作成する一方、計画の練り直しに時間がかかり、また、体調不良による入院などもあり,年度末までには練り直した研究計画に基づき倫理審査の再申請までは実施したが、予定通りには捗らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
6月の倫理審査委員会での承認を目指す。協力医療機関は、JA高知病院に絞り、7月よりリクルートを開始する。その為に、まず、高知大学倫理審査委員会および協力医療機関へ倫理審査の申請を実施する。 ビデオ撮影(出産時および1ヶ月健診時)は8~9月頃より実施する。生後1ヶ月健診時にビデオ撮影と質問票調査を実施し、生後半年に質問票調査を実施する。その際、質問用紙 (ESSENCE-Q・ASQ等)を使いアウトカムの測定を行なう。尚、新生児の濾紙血の採取も倫理審査で承認された場合実施しビタミンDを測定する。出産時に実施されるスクリーニングの機会を活用して、濾紙血を採取し、発達障害の発生に関わっていると近年指摘されているビタミンDの計測も実施する。 今年度末には、長くても生後半年程のアウトカムの情報が取れないため、来年度以降別途研究資金を獲得する等を検討し、長期的な追跡調査の可能性を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
既存のエコチル調査の追加調査としてではなく、新規コホートを立ち上げるにあたり、平成27年度に計画立案および実施を目指していたが、練り直しに時間がかかり計画作成など準備は進めたものの実施にはいたらなかった為。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度はアシスタント一人を雇用(週12時間)し、協力医療機関に配置しリクルートを実施する。ビデオ撮影の為の機器、記録保存の為のハードディスク、参加者及び医療機関向け謝金、ビタミンD測定、ビデオ映像評価者への謝金、打ち合わせ及び研修のための旅費等で予算を執行する。
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