本研究は、自閉症など発達障害児の早期発見のために、迅速で正確な新しいスクリーニングを策定するための新たなインディケーターの探求を目的とする。本研究は、進行中の出生コホート調査(環境省「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」)の追加調査として、出生直後から児の発達をビデオ撮影し前向きの観察すると共に、保護者への質問票調査を実施し、客観的情報(=映像)と主観的な情報(=養育者の「育てにくさ感」)を統合し、見落とされてきた可能性のある発達障害のインディケーターを見つけ出し、新たなスクリーニング開発につなげることとしたが、エコチル調査参加者への負担増加の懸念等により、当初予定していた通り追加調査としての実施が出来なかったため、平成27年度は、申請時の「研究が当初計画通りに行かない時の対応」に従い、研究計画の練り直しと新計画の実施を目指した。 児の評価方法については、協力医療機関(JA高知病院)にて、NBAS (Neonatal Behavioral Assessment Scale) に基づき、ビデオ撮影の為のパイロットスタディの見直しを行なった。その後、体調不良を伴う入院による実施の遅延に伴い、研究期間を1年間の延長することとなり、平成29年2月15日に高知大学、4月27日に JA高知病院の倫理審査において本研究の実施が承認されたため、平成29年7月~平成30年2月に研究を実施した。 研究期間中に41名の同意を得て、NBASに基づいた小児科医による評価および申請者による母子のコミュニケーションの評価を実施し、現在データを分析中である。尚、当初予定をしていた1歳時の発達段階の追跡調査については、科研費の期間は終了したが、平成30年度7月より引き続き実施予定である。
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