地理的特異性や異なる食文化を有する山形県内の4地方(村山、置賜、最上,庄内)の保育所(保育所・園)の協力の下に給食からの食塩摂取量調査を実施した。 地域の特異性を明らかにするためには各地域とも6保育所(園)での調査を予定し、山形県内の保育所に通じている東北文教大学・短期大学部・こども学科の先生に調査候補のリストの作成および電話での協力依頼をお願いした。その上で研究代表者が調査の趣旨・目的と調査方法等を文書ないし直接の訪問等により協力をお願いした。 しかし、各地方、保育所の給食の事情により6保育所前後の協力を得ることができなかった。結果的に、村山、置賜、最上、庄内地方で協力をいただき、給食調査ができたのは7,6,4,2の保育所の合計19保育所となった。 保育所の年中児の給食を対象に連続する3日間の給食を回収用に準備した容器に詰めて貰い、回収する方法で調査した。 年中児の給食は昼食とおやつのみが多いということであったが、3歳児未満児の給食を想定した給食としての全飲食物をとっていただくことをお願いして調査を進めた。 保育所の事情や説明の不足等で一部不完全な検体もあったが、全体で19保育所x3日分=57給食検体を回収・分析用検体とした。現在、滴定装置により食塩(塩素濃度測定)濃度を測定し、保育所別の給食からの食塩摂取量の測定を進め、食塩摂取量の変動要因を明らかにする共に引き続き微量元素摂取量の測定を進める。 減塩は古くて新しい国際的な課題であり、生活習慣病の予防からも重要である。今後は食塩摂取量のFactを保育関係者と共有し、幼児期から日常的により豊かな食事・食生活習慣を獲得し、効果的な減塩活動、食育指導のあり方を保育現場と保育士養成機関との共同した取り組みにより策定し、実務的な検討を重ね、一般化可能なプログラムを作り上げることを研究のゴールとして取り組みを進める。
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