研究課題
最終年度は、過去3年間の収集データの解析及びその結果の報告を主に行った。また、論文化に当たり不足するデータの再収集再確認なども行った。収集データの解析は統計学的な検証によって評価した。またその成果の報告は、複数の関連学会において行った。研究の目的)3年間の調査データに対して集計を行い統計学的な評価を加えた。研究の方法)介護老人保険施設在住の要介護高齢者174名を対象とし、要介護高齢者の聴力と聴覚認知の1年後の変化ならびに変化に関連する背景要因について検討した。聴覚チェッカを用い純音聴力と語音聴力および文章理解の総点を聴覚認知スコアとし評価した。研究の結果)聴覚認知スコアとMMSE-Jの間には正の相関があり認知機能テストバッテリに先行して行う聴覚認知スクリーニングに有用と思われた。聴覚認知の低下に、年齢、性別、要介護度、脳疾患の有無などの要因の関与は認めなかった。要介護高齢者の聴力と聴覚認知の評価に聴覚チェッカが有用であることをしめした。研究結果から得られた結論)認知機能が著しく低下した難聴高齢者の評価を行う場合、MMSE-Jやバーセルインデックスや意欲のスコアなど(VI)国際的に普及している複数のテストバッテリを用いることが有用であり各種テストバッテリを適用しながら難聴と認知症の評価を行うことの重要性があきらかになった。研究成果を周知した方法)高齢者の聴力と聴覚認知のスクリーニング体制の確立は急務であることを日本認知症ケア学会(那覇市、2017.05.27.シンポジウム障がいを持つ人の認知症ケア「難聴のメカニズムと高齢者抱える課題 ~脳と認知機能から考える聴覚支援ストラテジー~老健利用者の実態調査からみえてくる課題」)にて講演した。
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耳鼻咽喉科臨床
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Audiology Japan
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