要介護高齢者の聴力と聴覚認知の1年後の変化ならびに変化に関連する背景要因について検討した。純音聴力と語音聴力および文章理解の総点を聴覚認知スコアとし評価した。聴覚認知スコアとMMSE-Jの間には正の相関を認めた。聴覚認知の低下に、年齢、性別、要介護度、脳疾患の有無などの要因の関与は認めなかった。調査対象の難聴の実態をあきらかにしたことを受けて、音場システムを用いた場の管理とFM補聴器を用いた個の管理についてのアシストを行った。いずれのアシストも個のレベルにおいて意欲の向上(やる気の向上)を認めるケースを認めたが、介入の有無による二群比較では有意差を認めなかった。
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