| 研究課題/領域番号 |
26460843
|
|---|
| 研究機関 | 順天堂大学 |
|---|
研究代表者 |
酒井 理恵 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (40529939)
|
|---|
| 研究分担者 |
田村 寛 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40418760)
後藤 励 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (10411836)
鈴木 勉 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40206503)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
| キーワード | 医師の供給 / 医師の偏在 / 医療格差 |
|---|
| 研究実績の概要 |
本研究では、新臨床研修制度の、医師数の地域間/診療科間の格差に対する影響を分析する事を主な目的としている。医師の診療科/地域偏在が社会政治的問題となっている一方で、医師数増加、医師数格差縮小の政策は、医師数が地域住民の健康状態に貢献するという前提による物である。本研究ではこの前提を検討するため、死亡率と医師数の関連も分析する。公開されているデータに加え、一般公開されていないデータを入手することにより、詳細な分析を計画している。平成26年度は予備調査的に公開されているデータを用いた分析を進めた。具体的には、小児科医師数と乳幼児の予防接種率（三種混合および麻疹）との関連を検討し、小児科医師数の多い地域では予防接種率が高い事が示した。本結果は、医師数増加 が、住民の医療保険サービス利用を向上させることを示し、医師数増加の政策が地域住民の健康状態に貢献する可能性を示唆した。
また、一般公開されていないデータを入手するため、目的外申請の手続きも同時に進めた。具体的な分析方法について、研究分担者と協議を進め、研究協力者の人選をした。
本研究では、医師を対象に、勤務地および診療科を選択する理由を明らかにするための質的研究も計画している。混合研究法(mixed method research)により、医師の配置に関する総合的な考察をすることが目的である。現在は本質的研究に対する各関係施設からの倫理委員会の承認を得る準備を進めている。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
予備調査的に行った分析の論文投稿後、査読者からの提案により、新たなデータを収集し、分析を行う等、論文の改訂に想定外の時間がかかった。
また、一般公開されていないデータを入手する為の手続きにも想定外の時間がかかっており、計画より遅れている。
|
| 今後の研究の推進方策 |
本年度は、一般に公開されていないデータを早急に入手し、 分析を開始する。
具体的には、新臨床医研修制度前後の医師の移動の仕方がどう変わったかを検討する。
また医師数の対人口比が上下位10％の二次医療圏を抽出し、格差の時系列的変化を分析する。
特に、公開されているデータでは検討できない、診療科/病院勤務/診療所勤務による違い、医師の性別や年齢層による違い等を検討する。
研究代表者を中心に、研究分担者、研究協力者とともに、具体的な分析手法を検討しながら分析を進め、結果を、学会および論文で発表する。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
26年度が計画より遅れたため、使用額にも遅れが生じた。
|
| 次年度使用額の使用計画 |
26年度の遅れを取り戻せるよう、迅速に研究を遂行する為に、研究協力者を人選し、追加した。26年度が計画より遅れたために生じた使用額は、研究協力者への謝金を中心として使用していく予定である。
|
