研究実績の概要 |
私たちは、新潟県津南町(人口約12000人)において、健康増進活動を行ってきた。平成21年度から中学3年生のうち、本人・保護者から同意を得た児童を対象に空腹時採血を行い、インスリン値ならびに血糖値を測定することにより、インスリン抵抗性指数であるHOMA-R指数ならびにインスリン分泌能を反映するHOMA-β指数を求め、関連する因子を予測しようとしてきた。 平成26年度までに、合計で男児252名、女児193名の参加の同意が得られた。この集団における、男児のHOMA-R指数、HOMA-β指数およびBMIの中央値は、それぞれ, 1.2, 64, 19.2で、女児ではそれぞれ1.5, 86, 20.4であった。男女間で比較すると、HOMA-R指数、HOMA-β指数およびBMI共に女性で有意に高値であった(p=0.002, P<0.001, P<0.001)。 対象とした児童において生活習慣に関するアンケートを行い、測定したデータと連結して、両者の関連を見る予定であったが、町からの許可が最後まで得られなかった。 そこで、町との度重なる交渉の結果、平成27年度からアンケートをせずとも、食生活(特に魚を摂取しているか否か)を予測できる脂肪酸分画を、空腹時採血により測定する許可が得られた。本採血は平成27年5月に行われる予定であり、その測定結果がインスリン抵抗性指数ならびにインスリン分泌能とどのように関連しているか検討する予定である。
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