研究課題/領域番号 |
26460851
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
古村 美津代 久留米大学, 医学部, 准教授 (70320249)
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研究分担者 |
中島 洋子 久留米大学, 医学部, 教授 (20279235)
草場 知子 久留米大学, 医学部, 講師 (60368967)
松本 まなみ 久留米大学, 医学部, 助教 (00713190)
石竹 達也 久留米大学, 医学部, 教授 (60232295)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 認知症高齢者グループホーム / 教育 / 新人介護従事者 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、GH管理者の新人教育に向けての困難、新人介護従事者が抱える困難について、WAM-NETより層化無作為抽出により抽出した4039施設のGH管理者、新人介護従事者に対して無記名自記式質問調査を実施した。その結果、GH管理者の回収数768(回収率19.4%)、新人介護従事者436(回収率11.0%)の回答が得られた。 管理者の結果では、約6割の管理者は現在の新人教育を十分ではないと感じ、約8割の管理者が事業所以外の機関での研修が必要だと感じていた。また、約7~8割のGHは、日常生活援助の技術、高齢者の特徴や認知症高齢者の教育を実施していた。しかし、片麻痺の方の食事介助、耳のケア、ストレス対処法、リハビリテーション、必要な栄養の教育の実施は約半数であった。管理者は、新人の教育において【認知症ケアの教育指導】【若い世代の未熟さ】【教育管理能力の不足】の困難を感じていた。【認知症ケアの教育指導】の困難は、管理者資格と関連していた。新人介護従事者の結果では、入職時の指導において、日常生活援助技術では、ベッド上での清拭、耳のケア、片麻痺高齢者の食事援助、高齢者の特徴や認知症については、困難事例の検討、高齢者に必要な栄養、リハビリテーションについて約半数の施設は実施していなかった。しかし、新人介護従事者の約7~8割は、入職時の指導を希望していた。また、新人介護従事者は、認知症高齢者との関わりの中で「認知症高齢者に対するケア」、「職場の体制・環境」、「日常生活の援助技術」、「情緒的支援」の困難を抱えていた。 新人介護従事者が抱える困難は、新人介護従事者の個人特性や職場環境、教育体制が関連していた。GH管理者は、新人介護従事者に対して、入職時より、介護従事者の経験や年齢に応じた支援が必要であるとともに教育体制、職場の体制・環境についての支援体制の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成26年度より、K市との協力体制により、k市GHの管理者、新人介護従事者に対してインタビュー調査を実施し、その後、全国のGHの管理者、新人介護従事者に向けたアンケート調査を実施する予定であった。しかし、インタビュー調査の実施や全国GH30407施設より偏りをなくすため、県、設置主体の層化無作為抽出法にて4039施設を抽出するのに時間を要し全体の計画が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
現在、全国のGHから抽出した4039施設からのアンケート調査により、各GHの新人介護従事者が抱く困難や管理者の困難が明らかになった。今年度は、市の長寿支援課や介護福祉サービス事業者協議会GH部会と連携し、GHの新人介護従事者のキャリア開発に向け早期の教育システムを構築していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れが生じ、平成28年実施予定であった教育プログラムの実施、実施前後の評価についての調査を実施できていない。
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次年度使用額の使用計画 |
28年のアンケート調査の結果に基づき、新人介護従事者に向けての教育プログラムを作成し、K市長寿支援課とGH協議会と連携し、新人介護従事者に対する教育プログラムを実施する。また、対象とする新人介護従事者の教育前後の評価を実施する。
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