研究課題/領域番号 |
26460861
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
林 祐一 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (00392366)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 多剤処方 / 電子カルテシステム / 高齢者 |
研究実績の概要 |
高齢者の多剤内服率は約20-60%で、多くの高齢者が多剤処方を受けている。高齢者の多剤処方(polypharmacy)は、薬剤のアドヒアランスの低下ならびに薬物相互作用による有害事象発生などの危険性がある。そのため、高齢者の薬剤処方(薬剤数、内服回数、内服パターン、不適切な薬剤の中止・変更など)の適正化が求められている。次世代型電子カルテシステムは、診療情報・診療工程の一元化・情報の集約化がコンセプトにあり、科別、職種別カルテの統合保存による多職種共同診療体制の確立に寄与している。電子カルテシステム10年分の診療データの蓄積情報をもとに、次世代型電子カルテシステムが高齢多剤内服者の処方適正化に果たす役割について研究することが目的である。 今年度は計画に従い、データベースの構築、ならびに非高齢者、高齢者の入院時多剤処方率の算定ならびに薬剤数の変化に関する検討を行った。 結果、持続的な経口内服による免疫療法を実施しない多剤処方高齢者において、薬剤数を削減することができていることをつきとめた。また、経口内服免疫療法者ではむしろ薬剤数は増加することがわかった。また、どのような属性の患者群、どのような薬剤が減少する、増加するのかについてサブ解析を実施している。また、薬剤数の削減が極端なグループ、また増加が極端なグループが存在することがわかり、これらの臨床的特徴について現在サブ解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の計画に従い実施し、論文の成果を英文誌に投稿した。まだacceptにはいたっていないため、おおむね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降の計画に従い、実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の成果に対して論文を投稿した。現在、major revisionとなり、研究を継続している。想定していた論文の採用後にかかる費用ならびにmajor revisionに応じるための英文校正費用が残金として発生したため。
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次年度使用額の使用計画 |
現在実施しているmajor revisionに応じるための研究を行うために使用を予定している。またその結果がまとまり次第、英文校閲にかかる費用を支払う予定である。
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