研究課題
高齢者連続432症例を検討したところ、入院時常時薬剤数は平均5.1剤であった。ポリファーマシー患者は52.3%にのぼり、ステロイドなどの免疫抑制治療を行わない群では、薬剤数が入院時より削減されていた。削減薬剤の多くは、ビタミン類、胃粘膜保護薬を含む胃潰瘍治療薬、カルシウム拮抗薬などであった。削減理由は、無効薬の漫然投与の中止、重複薬の整理、過度の降圧などの有害事象のためであった。退院時には平均1.1剤の薬剤が削減されていた。これまでの定説では、急性期病院に入院すると、薬剤数が増加するといわれてきたが、多職種で処方をレビューすることにより、ポリファーマシーの高齢者の20%が入院を契機に非ポリファーマシー状態へ移行することがわかった。急性期病院への入院がむしろ、高齢者のポリファーマシーを見直すきっかけとなっていると考えた。本研究成果は、Hayashi Y, et al. Reduction in the numbers of drugs administered to elderly in-patient with polypharmacy by a multidisciplinary review of medication using electronic medical records. Geriatrics Gerontology 2017;17:653-658として報告するとともに、その内容については、日本老年医学会学術大会 2017年シンポジウムで報告した。さらに、「内科」高齢者ハンドブック、医学のあゆみ、月刊薬事で概説した。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件)
内科
巻: 121 ページ: 960-963
Geriatr Gerintol Int
巻: in press ページ: in press
Intern Med.
日本食品科学工学雑誌
巻: 64 ページ: 517-518
医学のあゆみ.
巻: 262 ページ: 726-727
Geriatr Gerontol Int.
巻: 17 ページ: 653-658
日本老年医学会雑誌
巻: 54 ページ: 560-566