研究課題/領域番号 |
26460865
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
片岡 浩巳 川崎医療福祉大学, 医療福祉マネジメント学部, 教授 (80398049)
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研究分担者 |
奥原 義保 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (40233473)
杉浦 哲朗 高知大学, 医学部附属病院, 特任教授 (50171145)
久原 太助 高知大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (80457407)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | インフルエンザ / パンデミック / CBC / スキャッタグラム |
研究実績の概要 |
CBC検査から得られた膨大な計測生データを用いた、インフルエンザの流行ならびにパンデミックを事前に検知し、院内での感染対策に対して予防的な先手を打つための、効果的な情報検知を目的とした解析を実施した。CBC検査が実施された4年間約60万検体のビッグデータを用い、罹患しやすい患者の事前検知と、非発症集団のビッグデータのパターンの動きから流行の事前検知を行うことができることを発見した。 「インフルエンザに罹患しやすい患者のスキャッタグラムパターン」の研究では、インフルエンザ迅速抗原検査陽性日を起点に7日前、3日前、当日、7日後、14日後、30日後の白血球パターンに対する検査診断特性を計算し、各パターンマトリクスのAUC値を比較した。7日以前の罹患しやすい患者群のパターンは単球および成熟好中球が少ない患者であり、抗原検査陽性日3日前から、リンパ球、単球、赤血球ゴースト、好中球領域が急激に減少する共通パターンが得られた。 「インフルエンザパンデミックと非発症集団のパターン変化」の研究では、非感染集団を対象として、インフルエンザ罹患数と白血球パターンの相関性を計算し、相関の高いスキャッタ座標を特定した。WBC/BASOチャンネルのSSC=11,FSC=21座標領域(WBC/BASOチャンネルでインフルエンザの最も検査診断特性の高い領域の近傍)が最も相関性が高く、インフルエンザの発症数に同期した変化がみられる領域が確認された。 インフルエンザに罹患しやすい患者は白血球パターンマッチングにより分類でき、パンデミック発生時の非感染集団での変化が認められた時は、さらなる事前予防に力を注ぐことが可能となった。
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