研究課題/領域番号 |
26460886
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
佐藤 啓造 昭和大学, 医学部, 教授 (20162422)
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研究分担者 |
藤城 雅也 昭和大学, 医学部, 助教 (00527161)
李 暁鵬 (中内暁博) 昭和大学, 医学部, 准教授 (90245829)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 冷凍食品 / 容器包装 / 溶出実験 / GC/MS / LC-ESI/MS / キシレン |
研究実績の概要 |
2015年度は汚染危惧食品に含まれる未知化学物質の検索を行った。コンニャク、キンピラゴボウ、山菜ミックス、カクテキ(角切り大根のキムチ)、冷凍アサリ、冷凍ブロッコリー、冷凍野菜ミックス、冷凍豚汁の具、冷凍ハンバーグのそれぞれ国産のものと中国産のものの両者について、有機化学物質の検索をガスクロマトグラフィー(GC)/質量分析法(MS)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/MS、HPLC/タンデム質量分析法(MS-MS)を用いて行った。分析前処理は厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課通知による「加工食品中に高濃度に含まれる農薬等の迅速検出法」を用いて行った。前処理後の試料は液-液抽出や固相抽出カラムによって極性から微極性、微極性から非極性分画に分離した後、極性から微極性成分はエレクトロスプレー(ESI)によってイオン化(陽イオン化と陰イオン化の両方)してLC/MS、LC/MS-MS分析を行うとともに、試料を完全に乾固した後、TMS誘導体化してGC/MS分析を行った。微極性から非極性成分はヘキサン酢酸エチル液をGC/MSに直接注入する方法とTMS誘導体化した後、GC/MS注入する方法の両者を行った。 GC/MS分析では食品由来のアミノ酸、糖、脂肪のほか、指定添加物3102種、食品香料参考規格1482種が検出された。どの食品も中国産のものが国産のものより多くの未知有機化学物質が検出され、とりわけ中国産のカクテキより医薬用外劇物に指定されているキシレンとエイコサンが検出されたが、国産のものからは検出されなかった。LC/MSのマススペクトルは分析機器によってスペクトルが異なるため入手可能なスペクトルデータと一致する物質は検出されなかったが、どの食品も中国産のものの方がより多くの未知有機化学物質が検出された。しかし、スペクトルデータによる検索では以前問題となった有機リンは中国産のものからも検出されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分析に用いたLC-ESI/MSが非常に高感度であるため不安定であり、途中で経年劣化による故障を起こし、修理したりしていたため、器具・容器包装からの長期保存(溶出)実験ができなかった。また、未知有機化学物質のスペクトルデータからの検索はGC/MSではかろうじて可能であったが、LC-ESI/MSによる検索は非常に困難であった。来年度は超高速液体クロマトグラフィー(UPLC/四重極飛行時間型(Q-Tof)MSにより精密分析を行い、未知有機化学物質の特定に結び付けたい。
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今後の研究の推進方策 |
汚染危惧食品の種類を今年度より幅広く増加させ、中国製ギョーザや鰻のかば焼き、チリ産サーモンを始めとする種々の食品で中国産、韓国産、チリ産、ノルウェー産、ドイツ産、フランス産、イタリア産、日本産のものからどのような劇毒物が検出されるか、されないか比較検討する。GC/MS、LC-ESI/MSに加え、大気圧イオン化(ACPI)LC-/MS、UPLC/Q-Tof MS分析を行い、検索精度を向上させて検討する。 器具・容器包装からの長期保存実験のほか、初年度よりシビアな条件(油を用いて200°Cで浸漬、4%酢酸で浸漬など)で溶出実験を行い、現在広く使われている食品保存容器から有害化学物質が溶出されてこないか検討する。 汚染危惧食品から検出された劇毒物、溶出実験で溶出されてきた劇毒物についてGC/MSもしくはLC/MS、LC/MS-MSによる定量法を確立する。さらに、その化合物のLD50、突然変異原性についても余裕があれば検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
分析機器LC-ESI/MSの故障による分析実験の進捗が遅れたことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
汚染危惧食品の種類を増加させ、中国産、韓国産、チリ産、ノルウェー産、ドイツ産、フランス産、イタリア産、日本産のものを比較検討することと、溶出実験をよりシビアな条件で溶出させること及び溶出長期保存実験を行うことにより消費する予定である。
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