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2016 年度 実績報告書

動脈石灰化の形態学的分類と遺伝子多型との関連性について

研究課題

研究課題/領域番号 26460887
研究機関北里大学

研究代表者

佐藤 文子  北里大学, 医学部, 教授 (70328128)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード急性大動脈解離 / 動脈硬化症
研究実績の概要

急性大動脈解離例と動脈硬化症との関係性を調べるために、北里大学医学部法医学および東海大学医学部基盤診療学系法医学領域で、平成24年1月から平成28年6月までの3年半の期間に施行した法医解剖例の中で、急性大動脈解離例を対象とした。コントロール例として、剖検例の中で、20-90歳代の瘤形成のない解剖例の腹部大動脈を対象とした。急性大動脈解離例については内膜亀裂の部位、コントロール例については、腹部大動脈のパラフィンブロックを再薄切し、HE、EVG、Alcian blue 染色を行い、Cystic medial necrosis、Elastin fragmentation、Fibrosis、Medionecrosisについて半定量化し, Grade1-3に分類した。統計学的有意差の有無について、χ2検定を行った。急性大動脈解離例は14例、平均年齢は71.4±14.2歳、男性10例、女性4例であった。内膜亀裂部付近の嚢状中膜壊死はG1:7例、G 2:7例、エラスチン断片化は、G1:1例、G2:10例、G3:3例、中膜線維化はG1:6例、G2:5例、G3:2例、中膜壊死はG1:8例、G2:6例。コントロール例は嚢状中膜壊死は全例G1、エラスチン断片化はG1:12例、G2:8例、G3:3例、中膜線維化はG1:14例、G2:7例、G3:1例、中膜壊死はG1:20例、G2:2例であった。大動脈解離例で、嚢状中膜壊死がG2以上であった事例は7例(50%)で、コントロール例と比較して優位(p<0.01)に発現が見られ、エラスチン断片化がG2以上の例は13例(92%)認められ、コントロール例と比較して優位に発現が見られた。大動脈解離例では、非解離例の動脈と比較して有意差を持って、Cysytic medial necrosisとElastic fragmentationが認められた。これは、発症時に中膜が解離した際に二次的に発生したと予想された。コントロール例では、40歳代以上の症例で、Elastin fragmentation を半数程度に認めた。大動脈解離の発症に、進行した粥状硬化症による中膜の脆弱性との関連性は否定できないと考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 急性大動脈解離の組織学的所見について-粥状硬化症との比較-2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤文子
    • 学会等名
      第106回日本病理学会総会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京都新宿区)
    • 年月日
      2017-04-27 – 2017-04-29
  • [学会発表] 法医解剖例における大動脈瘤破裂例について2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤文子
    • 学会等名
      第105回日本病理学会総会
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2016-05-12 – 2016-05-15

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公開日: 2018-01-16  

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