マルチプレックスRT-PCR法による体液の識別検査法の構築のため、血液、唾液及び精液に対するターゲット遺伝子及びリファレンス遺伝子についてプライマー設計を行った。設計したプライマーについて、増幅確認、増幅バランスの調整、ターゲット遺伝子の再選定等を行い、ターゲット遺伝子3種類及びリファレンス遺伝子1種類から成るマルチプレックスRT-PCR系を、それぞれの体液種に対して構築することができた。 体液、体液斑及び微量体液斑からスピンカラム法及び磁気ビーズ法で抽出・精製したRNAについて、構築したマルチプレックスRT-PCR法により増幅を行い、チップ電気泳動により分離・検出を行ったところ、抽出・精製法の間で検出性や増幅バランス目立った差異はなく、いずれの抽出・精製法で得られたRNAもマルチプレックスRT-PCR法による体液の識別検査に適用可能と考えられた。 本研究成果を基に、平成30年度からは、遺留資料の種類や状態を問わずに適用可能で、かつ複数の体液を同時に識別可能なマルチプレックスRT-PCR法を開発する予定である。
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