法科学的資料におけるRNA抽出・精製法の違いが、mRNAを指標とした体液の識別検査法に及ぼす影響について検討を行った。 RIN値によるRNA品質評価の結果、血液、唾液および精液において、磁気ビーズ法よりスピンカラム法のほうが高品質のRNAが精製された。一方、磁気ビーズ法では低分子RNAも抽出・精製されるため、リアルタイムRT-PCR法では高感度となった。dCt法により相対的定量を行う場合は、抽出・精製法およびコントロール遺伝子の選定が重要と考えられた。 つづいて、RNA抽出・精製法の影響を受けない堅牢なターゲットおよびハウスキーピング遺伝子を選定し、マルチプレックスRT-PCR検出系を構築した。
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