研究課題/領域番号 |
26460899
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
海老原 孝枝 杏林大学, 医学部, 准教授 (30396478)
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研究分担者 |
海老原 覚 東邦大学, 医学部, 教授 (90323013)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | レビー小体型認知症 / 咳感受性試験 / 咳衝動 / 肺炎 |
研究実績の概要 |
パーキンソン病の咳嗽力の低下が報告されている。同様のαシヌクレオパチーであるレビー小体型認知症の咳嗽についての詳細な報告はない。そこで、今回、レビー小体型認知症の咳嗽および咳衝動について調査報告した。 認知症罹患入院高齢者61名(アルツハイマー型認知症高齢者(AD)、レビー小体型認知症高齢者(DLB)健常高齢者(コントロール)の3群)に、段階的に生理食塩水で倍数希釈したクエン酸を最低濃度(0.7 ; 360 mg/ml)から超音波ネブライザー(NE-U17, Omron Co. Ltd., Kyoto, Japan)で1分間吸入してもらい、5回咳が出るまで続けた。2回以上咳が出たときの濃度(C2)および5回以上咳が出たときの濃度(C5)とした。咳衝動(Urge to Cough)修正ボルグスケールで評価した。 結果)C2においては、DLBとコントロール群の間、C5においては、DLBとAD間、DLBとコントロール群の間に有意差が認められた(P<0.01)。また、AD, DLB、コントロール群のなかで、DLBの咳衝動閾値は、コントロール群と比較して有意に高かった(P=0.02)。咳衝動スロープは、DLB群が最も小さかったが、有意差を得ることができなかった。結論)DLB罹患高齢者は、ADあるいは健常高齢者と比較して、咳反射が低下しており、咳衝動閾値が高くなっていると考えられた。 上記内容につき、第59回日本老年医学会総会で口演し、投稿後、追加解析中である。 また、これを踏まえて、当学におけるDLBの肺炎について、他の認知症の肺炎の原因との鑑別を行い解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H30年度現在、論文投稿後、追加解析中であり、また、肺炎との関連調査も進めており、おおむね順調と考える。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、引き続き、DLBの肺炎について調査・解析をすすめて、H30年度中に更なる投稿を行う。H30年度、その出版費用に充てる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
出版費用の計上を行っていたが、H30年度現在、revise中でH29年度中に採択出版まで遂行できなかったため
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