進行性難聴を示すp75KOマウスを用いてこれらのマウスにおける鍼電気刺激(EA)による聴力維持の作用機序について外有毛細胞に対する遠心性抑制経路並びにATP依存的な作用に焦点をあて、その機能解析を行った。6ヶ月令のp75KOマウスのEA非処置群では蝸牛第1、第2回転の外有毛細胞における神経終末の脱落が認められる一方、EA処置群では明瞭な異常は認められなかった。以上の結果は加齢による遠心性経路の破綻がEAにより保護されていることを意味する。またEAによりp75の有無にかかわらず蝸牛内のATPの上昇が認められた。以上の結果は内耳においてもATP依存的なEAの作用機序が存在することを示唆している。
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