六君子湯と茯苓飲は用量依存的にマウス胃幽門部輪走筋の自発収縮を抑制し、六君子湯と茯苓飲の共通構成生薬の中で、蒼朮、陳皮、人参が自発収縮抑制作用を示した。六君子湯はマウス胃幽門部輪走筋の膜を脱分極させた後にスローウェーブを消失させた。一方、茯苓飲は膜を過分極させスローウェーブの発生頻度と振幅を減少させた。同実験において、蒼朮は膜をわずかに脱分極させたがスローウェーブの発生頻度に影響を及ぼさなかった。陳皮および人参は膜を過分極させたが、陳皮のみがスローウェーブの発生頻度を減少させた。以上の結果から、六君子湯と茯苓飲は異なる機序にてマウス胃幽門部輪走筋の自発収縮を抑制することが示唆された。
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