本研究では、加味温胆湯、帰脾湯など古くから神経・精神疾患に臨床応用されてきた漢方処方の薬効を、精神疾患モデル動物を用いて行動薬理学的な手法により確認するとともに、薬効発現機序の科学的な分子基盤をエピジェネティクスや神経新生(ニューロジェネシス)の制御機構などに注目して解析おこなった。行動薬理学的解析から、慢性マイルドストレス負荷やコルチコステロン投与によるうつ様行動に対して、加味温胆湯、加味帰脾湯、オンジエキスの投与が改善作用を有することを明らかとした。またオンジエキスを投与したマウス海馬において、GDNF発現増強や神経樹状突起スパイン数の増加が観察された。
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