研究課題/領域番号 |
26460927
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研究機関 | 藍野大学 |
研究代表者 |
山本 直宗 藍野大学, 医療保健学部, 准教授 (00454546)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 血糖変動 / 人工膵臓 / 糖尿病 / クローズドループ |
研究実績の概要 |
本病院にて、連続24時間血糖測定が可能であった23名を対象にインスリン、グルカゴンを測定した。しかしながらRIAを用いたグルカゴンの測定系が不安定なため適切な血糖の予測モデルの作成が困難であった。ただし食後血糖のパターンに関しては、現在のデータで作成したところ、二次曲線の式にてY1=Y0+(-0.57)*ins*ins+0.04*ins+gluでR2=0.28で近似できた(Y1=現在の血糖値、Y0=Y1の5分前の血糖値)。空腹時の血糖推移に関しては現在、二次微分方程式を用いた予測式を考慮しているが、グルカゴンの値が下記に示す様に不安定なため、まだパラメータ式の作成の成功には至っていない
RIA法では同じ検体を用いても値にばらつきがでたり糖尿病患者および正常耐糖能患者においても値が大きく出るため、血糖値の微細な変化を説明する因子としては大きくなりすぎる欠点があった。平成27年度に入り、メルコディアのELISAによるグルカゴンの測定系が、CV値は2.5~4.7%と安定していることが報告された。この測定系はRIAの測定値よりも小さくなることが報告されており、血糖の変動の説明変数としてより適切と考えられる。
当研究においてもメルコディアのELISAによるグルカゴンキットの購入を行い、本年度はこのキットを用いた血糖の予測系の作成を行う予定である。そのため当院でもメルコディアの測定が可能である環境の整備を行うべく、既にメルコディアのグルカゴンキットの購入を行い、来年度に吸光度計の購入を計上している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記で説明した通り、RIAによるグルカゴン測定値にはばらつきが大きいのと、測定値自体がグルカゴン類似物質も測定しているため、値が大きくなることがあり、血糖連続測定の微細な変動を説明する因子としては不適当であるケースが認められた。しかしながら、昨年度、メルコディアによるELISAの測定法が安定していることが判明し、当研究においてもメルコディアの測定系を用いることによりより適正な予測係数の作成が可能と考えられる。既にキットは購入完了しており、血清も手元にあり直ちに測定可能な状況であるため、現在の所やや遅れているが本年度で十分研究首領可能な進捗状況と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
現在、測定器の購入を6月に行い、速やかに測定を行い、空腹時の血糖変動モデルのパターン作詞を速やかに行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文作成がまだのため、国際学会の発表などなく旅費に残高が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
今後、論文作成を行い、海外発表を行う予定である。
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