本研究ではレニンーアンジオテンシン系の軟骨細胞代謝への関与を検討した。骨折モデルマウスで、持続的アンジオテンシンIIの投与が軟骨細胞分化を促進し細胞死を抑制した。さらにアンジオテンシンIIの軟骨変性疾患病態進展への関与を検討するため、モデル動物を検証した。作成モデルは変形性関節症の病態を反映し、今後の検討に有用と考えられた。変形性関節症では、肥大軟骨細胞への分化、肥大軟骨細胞から分泌されるMMP等による軟骨変性が主たるメカニズムであり、アンジオテンシンII阻害は抑制的に作用し、変形性関節症を有する高血圧患者への包括的治療が示唆された。
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