本研究では、、アカラシアの新規治療の開発を目差し、下部食道括約筋 (lower esophageal sphincter; LES)の安静時張力を維持する筋原性筋緊張調節の機序の解明を行った。LES安静時張力の維持にNa+/Ca2+交換機転 (NCX)を介した細胞質Ca2+濃度 ([Ca2+]i)が重要な役割を果たすことを明らかにした。さらに、このNCXを制御する因子として、gasotransmitterの1つである硫化水素 (H2S)が重要な役割を果たすことを解明し、H2S/NCXの経路は、アカラシアの新規治療のターゲットとなる可能性がある。
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