研究実績の概要 |
胃癌細胞-脂肪組織解析モデル用いて、免疫組織化学、電顕、Western blot 、real-time RT-PCR、ELISA等を用いて解析し、癌細胞の生存、増殖、浸潤、脂肪滴沈着における内臓、皮下脂肪組織の影響を検討した。脂肪組織は、癌細胞の脂肪滴沈着、細胞肥大、増殖を促進し、アポトーシスを抑制した。癌細胞は脂肪組織誘導性の脂肪滴沈着とともに、脂肪酸輸送・合成分子(FATP-1, -4, -6, CD36; FAS)、脂肪滴形成・輸送分子(Perilipin-1, 2, 3)、脂質情報伝達分子(PAF, S1P, LPA)、MAPK, STAT3 pathway, IGF-1/PI3K/ AKT/mTOR/AMPK pathway, COX-2の発現亢進が見られた。さらに、小胞体ストレス分子の中でも、アポトーシス促進シグナル:IRE1α、JNKの発現が抑制され、小胞体ストレス防御シグナル:PERK、eIF2α、ATF6α、β)の発現が促進された。以上より、脂肪組織は胃癌細胞に、lipotoxicityではなく、lipotrophic effectsを誘導することが示唆された。
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