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2015 年度 実施状況報告書

シクロスポリンによるSTAT3シグナルを介した腸上皮細胞アポトーシス制御

研究課題

研究課題/領域番号 26460957
研究機関弘前大学

研究代表者

櫻庭 裕丈  弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (90422063)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードシクロスポリン / IL-22受容体 / 腸上皮アポトーシス / TGF-β / STAT-3
研究実績の概要

初年度の解析結果で、シクロスポリンによる粘膜障害抑制効果は、腸管上皮細胞IL-22受容体の発現増強とSTAT3の活性化による粘膜障害抑制機序が関与していることが明らかとなった。また、追加解析で腸上皮細胞株Caco2を用いてシクロスポリンの処理による腸上皮細胞IL-22 receptor mRNAの発現調節について解析を行った結果、シクロスポリンによる腸上皮細胞IL-22受容体発現増強効果は直接効果ではない可能性が考えられた。
本年度はまず腸上皮細胞株Caco2を用いたシクロスポリンによる腸上皮細胞IL-22受容体発現調節の機序の解析を行った。その結果、シクロスポリンと同時にリコンビナントTGF-βを加えるとIL-22 receptor mRNAの発現増強は認めた、しかし、シクロスポリン単独あるいはリコンビナントTGF-β単独の刺激では、IL-22 receptor mRNAの発現増強は認めなかった。従って、シクロスポリンによる腸上皮細胞のIL-22受容体発現増強及びSTAT3活性化を介した粘膜障害抑制効果は、TGF-βからのシグナルと同時にシクロスポリンが加わることで誘導されることが示唆された。
次に、マウス腸炎モデルにおいてもシクロスポリンによる腸上皮細胞のIL-22受容体発現増強及びSTAT3活性化を介した粘膜障害抑制効果におけるTGF-βからのシグナルの関与について解析を行った。抗TGF-β抗体投与下では、シクロスポリン投与による腸上皮細胞のIL-22受容体発現増強・STAT3活性化誘導の効果がキャンセルされた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の解析結果で、シクロスポリンによる粘膜障害抑制効果は、腸管上皮細胞IL-22受容体の発現増強とSTAT3の活性化による粘膜障害抑制機序が関与していることを証明できた。本年の目標であった腸管上皮細胞IL-22受容体の発現調節因子についても、シクロスポリンとTGF-βシグナルを介していることを明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

本年度までの解析の結果、シクロスポリンによる腸上皮細胞のIL-22受容体発現増強及びSTAT3活性化を介した粘膜障害抑制効果を確認した。また、シクロスポリンによる腸上皮細胞のIL-22受容体発現増強にはTGF-βからのシグナルが必要であることが明らかとなった。従って次年度は、計画書にあるように腸上皮細胞におけるIL-22受容体からのSTAT3シグナル、TGF-βからのsmadシグナルを介したアポトーシス制御の機序を解析する予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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