DSS誘発大腸炎モデルにおけるシクロスポリンによる粘膜障害抑制効果は、腸管上皮細胞IL-22受容体の発現増強とSTAT3の活性化による粘膜障害抑制機序が関与していることが明らかとなった。腸上皮細胞株Caco2を用いた解析では、リコンビナントTGF-beta単独またはシクロスポリン単独刺激による腸上皮細胞IL-22受容体発現増強効果は認めず、両者の刺激よりIL-22受容体の発現増強は認めた。シクロスポリンによる腸上皮細胞のIL-22受容体発現増強及びSTAT3活性化を介した粘膜障害抑制効果は、TGF-betaからのシグナルと同時にシクロスポリンが加わることで誘導されることが示唆された。
|