腸炎における腸管周囲の脂肪組織、とくに脂肪細胞の機能に関してマウスモデルを用いて検討した。DSS誘発実験腸炎モデルにおいて、腸間膜脂肪織に炎症細胞浸潤が生じ、脂肪細胞においてNFκBの活性が上昇することがわかった。脂肪細胞特異的IKKβ欠損マウスを用いて各種実験腸炎モデルを行ったが、DSS誘発腸炎モデル、高脂肪食負荷後のDSS誘発腸炎モデル、炎症発癌(AOM+DSS)モデルのいずれの系でも、炎症の程度や腫瘍の量など、コントロールと比して明らかな差は認めなかった。脂肪細胞特異的オートファジー欠損マウスを用いた実験を試みたが、増殖効率が悪く結論を出すのに十分な数のマウスを得られなかった。
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